皆さんは「オーラルフレイル」という言葉を聞いたことがありますか?
オーラル(口の)フレイル(衰え)という意味の造語で、お口の機能(飲み込む・話す・噛むなど)が低下することが全身的な衰えにつながるという考え方の事を言います。
たとえば、虫歯や歯周病などになると歯が抜けてしまったり痛みが出てきます。そうすると食事や会話がしにくくなり、食べる量が減って栄養状態が悪くなってしまいます。さらに舌の働きも低下するので飲み込む力も低下していってしまう・・・
このように口腔の衰えは全身的・精神的な衰えと大きく関わりがあるのです。
<オーラルフレイルの症状>
・前より噛みにくかったり食べにくくなった
・お茶や汁物でむせやすい
・口の中が乾燥しやすい
・食べこぼししてしまう
・滑舌が悪くなった
以上のような自覚症状がある時は要注意。早めに相談、予防していくことが大切です。
では、「オーラルフレイル」を予防するには?
まず第一に口腔(口のなか)の清潔を保つこと。食後にうがいをしたり、就寝前にしっかり歯磨きをするなどして清潔に保つように心がけます。
それから大切なのは定期的に歯や口のなかの検診をすることです。今の自分の口腔内の状態を知り、歯科医院でしっかりお掃除していきましょう。
また、日頃から口腔機能の低下を防ぐための口腔体操をするのも効果的です。
●口腔体操の一例を紹介します。
・口の形を大きく「ウー」「イー」と繰り返し動かす
・舌を口の中で歯の周りを舐めるようにグルグル動かす
・「パ」「タ」「カ」「ラ」と発音する(何度か繰り返し発音する)
ウーの口
イーの口
「最近むせやすい」、「口の乾燥が気になる」など、なにか少しでも気になる事があれば遠慮なくご相談ください。
※厚生労働省と日本歯科医師会が平成元年から展開している「8020運動」は80歳で20本以上の歯を保ち、なんでも噛んで食べられることを目指し推進しています。当初8020達成者は国内で数%程度だったものが現在では50%を超えるほどになっています。日本歯科医師会は、この「8020運動」に代表される国民運動をさらに発展させるべく、様々な関係者の協力のもと「オーラルフレイル」という新たな考え方を取り入れ健康長寿を啓発しています。
歯科医師 東郷
わたなべ歯科クリニック
桐生市相生町5-589-3
0277-52-9955
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